区立幼稚園、このままだとどうなる?〜区立幼稚園の早期の3年保育化を求めています!〜

練馬区教育振興基本計画 中間見直し(素案)が出されました。

その中には、区立幼稚園の計画も出ています。今後の区立幼稚園のありかたの予定はp15令和7年度に「検討」令和8年度に「実施計画の策定」とされています。

「区立幼稚園は園児数の減少、障害児受入数の増など、園を取り巻く状況の変化を踏 まえ、今後のあり方を検討し、検討結果に基づいた実施計画を策定します。」とあります。↓

練馬区教育振興基本計画 中間見直し(素案)p 15より

これまでも生活者ネットワークは、区立幼稚園の早期の3年保育化を求め続けてきました。(2023年第3回定例会決算質疑 2024年第3回定例会決算質疑 2024年文教委員会 他)

練馬区には区立幼稚園が3園あります。その園児数は下記の図のとおり、約20年で4分の1以下になっています。背景には少子化や女性の働き方の変化もあげられますが、それ以前に多くの私立幼稚園が3年保育化している中で、区立幼稚園がいまだに2年保育ということも大きいと考えられます。子どもを3年保育の幼稚園に通わせたいと思う保護者にとって、2年保育の「区立幼稚園」の選択肢はありません。

2023年練馬区第二次区立小・中学校および区立幼稚園の適正配置基本方針(素案)p20より

区の説明では区立幼稚園の3年保育化は長らく「今後検討していく」事項とされてきました。しかし10月の委員会答弁では「練馬の幼児教育を牽引してきたのは私立幼稚園の役割が大きく、区立幼稚園は設立当初、幼稚園が少ない(足りていない)地域につくってきた経緯がある。私立幼稚園を補完する意味で区立幼稚園を設置してきた状況なのでで2年保育を継続している状況」とのこと。当初は「補完」であったかもしれませんが、何十年も経った今、地域に必要な幼稚園として今があります。

現在、区は3年保育化なども含めた「区立幼稚園の在り方検討委員会」を開いて検討(ず〜っと検討ですけれど!?)しているところです。

全体の園児が減っている一方で、区立幼稚園では支援が必要な子どもの割合は約20年で12倍となっており、私立幼稚園では過ごしにくかった子どもたちが区立幼稚園を「選んで」きている状況があります。私立幼稚園における「合理的配慮を提供する義務」にもまだまだ課題があるのではないでしょうか。

※障害のある子どもが、他の子どもと平等に教育を受ける権利を享有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、障害のある子どもに対し、その状況に応じて、個別に必要とされるもの。

2024年練馬区第二次区立小・中学校および区立幼稚園の適正配置基本方針(素案)より

区立幼稚園では、支援が必要な子もそうでない子も一つの教室で共に過ごす「インクルーシブな空間」が当たり前にあります。私も娘を通わせていましたが、子どもたちも保護者も「いろんな子がいて当たり前」「大変なときは助けあう」がごく当たり前の園生活を送っています。このような環境はより多くの子どもたちが集まる小学校生活においてきっと好影響を及ぼすと思います。いわば最先端の「インクルーシブ教育」の環境がある区立幼稚園の、どの子ものびのびと過ごせる区立幼稚園の運営方針が魅力的であり、誇りに思う保護者、卒園者が地域にはたくさんいます。

この実施計画のままでは、①幼児の人数がますます減り②せっかくのインクルーシブな教育が自然に存在する区立幼稚園の運営が一層厳しくなる ということは目に見えています。

国の方針(文部科学省「今後の幼児教育の教育課程、指導、評価等の在り方に関する有識者検討会」2024年10月の有識者会議報告p21より)でも、

「地域における公立幼稚園の役割を踏まえ、域内において公立幼稚園が果たすべき役割を明確化するとともに、その役割を果たせるよう、地域の実情や保護者のニーズ等を踏まえつつ、公立幼稚園における3年保育や預かり保育の実施、認定こども 園への移行などについて検討することが必要である。なお、既に公立幼稚園がない地方自治体においては、公立の認定こども園や保育所等が地域の幼児教育の拠点園となり、地域の幼児教育の質向上に向けて、前述のような役割を果たしていくことが重要である。」とあります。

国も公立幼稚園の早期の3年保育化を求めています!!

みなさんはどう考えますか?ぜひ、私たち生活者ネットワークにご意見をお寄せください。