区立谷原保育園閉園計画に反対!

2024年第二回定例会の初日は陳情の審査から始まりました。

出されている陳情に対し、採決の前に「これだけは言っておきたい!聞いてほしい!」ということを述べます。

今回、私は谷原保育園閉園計画に関する2件の陳情に賛成の討論をしました。以下、内容です。↓

 

生活者ネットワークを代表して、陳情第52号・陳情第49号の願意に賛成の討論をおこないます。

まず、陳情第52号「区立谷原保育園の当事者を置き去りにした閉園計画の撤回等を求めることについて」

  • 区立谷原保育園の当事者を置き去りにした一方的で強引な閉園計画は撤回すること
  • 今後のあり方は、保護者をはじめ区民の意見を聞き、子どもの最善の利益を考慮し検討すること

を区に働きかけること。

というものです。

新しい保育園が開設されてもなお、13000人以上の署名とともにこの陳情が提出されるということは、この計画に多くの区民は納得していないことを示しています。

この谷原保育園閉園計画は2020年度3月に出された公共施設等総合管理計画には「検討」すら入っていませんでした。

ところが区は2021年7月の隣接の生産緑地の買い取り申し出を受けて、7月下旬には谷原保育園の老朽化への対応に活用するとして買い取ることを決定しました。そのわずか4か月後の11月の財産価格審議会で私立保育園の誘致と区立谷原保育園の閉園が突然報告されました。

時間をかけて検討すべき重要な課題だったにもかかわらず、議会に初めて報告されたのは、翌月の2021年12月に出された新型コロナ感染症拡大の影響により緊急対策として、区の財政負担に平準化するために改定された、2022年度〜2023年度の公共施設等総合管理計画素案でした。この素案で、2022年度からの在園児卒園後「2026年(令和8年度)をもって谷原保育園は閉園」することが示されました。

さらに最も保護者を困惑させたのは、私立保育園の誘致と谷原保育園の閉園について知らされたのが2022年度園児募集の締め切り後だったことです。

この時点で、在園していた保護者の中には区立直営の方針で保育が行われている谷原保育園に兄弟も入園させたかったり、日常的に多様な年齢の子どもたちが共に育つ環境のなかで過ごさせたかった保護者、「この環境の谷原保育園だから」選んだ方たちもいたとのことです。

また、区独自の保育方針で運営している区立保育園は多くの区民からも信頼を寄せられ、保育の手法も職員も大切な区の財産です。地域に根ざした区立谷原保育園を閉園する方針を決めるにあたっては公共施設等総合管理計画における十分な「検討期間がなかった」のは大きな問題です。

区は隣接した土地のこと、老朽化した園舎の対応、厳しい財政状況を理由に判断したと主張しますが、「子どもにとってどうなのか」。という視点に欠けていたといわざるを得ません。

なんといっても置き去りにしてはならないのは当事者である子どもたちであり、保護者、職員の谷原保育園に対する想いです。

当初より、全体説明会を求めていた保護者に対し、頑なに全体説明会を開いてこなかった区の姿勢に保護者・関係者は不審を抱きました。

区は区民に「丁寧に説明し、ご理解と協力を得て進めていく」といいますが、そうであるならば要望から2年近く経ってからではなく、最初から「全体説明会」も開くべきでした。

また、陳情49号

「区立谷原保育園から私立保育園への転園が予定される園児に関する引継ぎについて」

要旨:区立谷原保育園から新設される私立保育園(しろくま保育園)とに転園が予定されている園児に対して、区立保育園の民間委託基準と同様に1年間の引継ぎ期間を設けるよう区に働きかけてください。

というものです。

区はかつて委託事業を始めるときには、「保育園の引き継ぎは、毎日の生活の場であるので、より丁寧に従事する保育士と子どもたちとが関係づくりをしていくこと。それぞれの子どもの特性に合わせた保育を行う」こととして、1年間の引き継ぎ期間を定めてきました。「今回は委託事業ではない」と区は言いますが、子どもにとって環境が変わる不安は同じです。その視点が欠けていることを認識すべきです。

「子どもの最善の利益を保障する」という子どもの権利を最優先に掲げた保育行政をおこなうことを求めて陳情第49号・第52号の願意に賛成の討論といたします。

採決の結果、この陳情は2件とも不採択となったことは非常に残念です。
今後も引き続き動きを見ていきます。

陳情第52号の願意に

賛成(12):共産党5・インクル3・生活者ネット2・つながる1・れいわ1

反対(37):自民党14・公明党7・立憲民主6・練馬会議5・維新3・みどり1・参政1

陳情第49号の願意に

賛成(18):立憲民主6・共産党5・インクル3・生活者ネット2・つながる1・れいわ1

反対(31):自民党14・公明党7・練馬会議5・維新3・みどり1・参政1