区民も関われる治水対策を~グリーンインフラをすすめよう
<2024年第三回定例区議会決算特別委員会にて質問しました>
近年頻発する豪雨の大きな要因の一つに、ヒートアイランド現象により上昇気流が発生し、局地的に強い雨が起こることが挙げられています。また、その大雨はアスファルトやコンクリートが多い都市部では地面に吸い込まれていくことができません。樋やアスファルトをつたい生活排水と合わさり直接川へ流れ込み、川の水位を急激に上げてしまう原因となってしまうのです。近年の豪雨の発生量は10年前より1.5倍に、今後気温が2度上がると洪水発生頻度は2倍になる(2022年国土交通省)との試算もあり、その対策は急務です。
区では水害対策として、公共施設、学校、区立公園に雨水浸透施設を設置したり、個人宅の雨水浸透施設と雨水タンクの設置に助成金を交付しています。しかし助成の条件は「雨水浸透施設が設置してあること」で「雨水タンク」単体での助成には消極的です。私たちは、治水対策を進める上で区民も直接まちの治水に関わっていくことが必要であると考え、区は流域対策についても区民と協働して取り組む視点を持ち、雨水タンクの助成や雨庭の実践などを周知するよう求めました。(雨水タンクのみの助成も行ってはいますが、十分な広さがない場合のみなどの条件があります)
<「雨庭」を公共施設で実践し、私たち区民も治水に関われることを周知しては?>
たとえば世田谷区では、区民に向け「世田谷グリーンインフラ学校」を開催し、「雨庭」という取り組みを呼びかけています。庭に深さ30センチほどの穴を掘り、降った雨を集めて一時的に貯留し、ゆっくりと地面に浸透させるような仕組みを手作りで施工していくのです。
雨庭は「みどりを増やし、まちをクールダウンさせ、治水しながらも水みちを遮断せず、自然な水循環を進め、生き物の生息域や移動空間を増やすことも期待できる」といわれています。マンションではプランターなどで一時的に雨を受け止めるのも有効だそうです。
このような取り組みを公共施設や学校等で実践し、区民一人ひとりが自宅やコミュニティで治水に関われることを知り、自然が持つ多様な機能を活用したグリーンインフラの考え方が広がることで、災害に強く、環境に配慮したまちづくりを区民と協働して取り組めると考えます。しかもこの取り組み、東京都の予算があります。練馬区でも活用しグリーンインフラの考え方の普及に役立てて欲しいです。