0歳児保育の募集を停止しないで!(光が丘第二保育園・光が丘第十一保育園・富士見台こぶし保育園)
第一回定例区議会で「令和7年度、光ヶ丘第二保育園、光ヶ丘第十一保育園、富士見台こぶし保育園におけるゼロ歳児受け入れ休止決定の撤回について」の(陳情81号)が文教児童青少年委員会に付託され、採決の結果、陳情に賛成したのがが5会派、反対が7会派で不採択となりました。
生活者ネットワークは陳情の願意に賛成の立場で討論しました。以下討論内容です。
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区は、「育児休業制度の定着などによって、昨今の保育所入園におけるゼロ歳児の保育需要が減少、各園で定員に満たない状況が今後も継続していくと見込んだため、2025年度4月入園募集において、光が丘第二保育園、光が丘第十一保育園、富士見台こぶし保育園の3園でゼロ歳児の募集を停止する」こととしました。さらに、その空き教室で、逼迫が危惧される1歳児の受入れを行う、とのことです。
突然の発表に当該地域と在園児の保護者からは困惑の声が上がっています。特に、当該保育園に在園している子どもたちに下の兄弟が生まれた場合、ゼロ歳では同じ園に入れず、兄弟別園になることがすでに決定してしまうのです。保護者は最初の子の保育園を決めるとき、保育環境はもとより、これから生まれてくるかもしれない子どもたちのことや、自分の仕事の復帰具合などを見ながらも保育園を考えています。そもそも0歳児保育は、その年に生まれた子たちが入ってくるので、年度はじめに空きがあるのは当然です。どのエリアも徐々に埋まっていき、12月時点ではほぼ埋まります。
このような状況で、なぜ当該地域の0歳児保育を「停止する」と判断をするのか疑問です。
「ここなら下の子が生まれても同じ園に入れると思っていたのに、(ゼロ歳児停止になると)兄弟別園になることが既に決定してしまって、3人目も考えていたのに見通しが立たなくなった。」との声もありました。
また、区の北側の旭町、光が丘、田柄方面は0歳児保育の実施園が少なく、不安を訴える声もあります。今回の0歳児の受け入れを停止する区の施策は子育て支援とは逆行しています。
このような状況の中で、区が0歳児保育の受け皿を無くすことは、公的保育の役割を蔑ろにしていると言わざるを得ません。
さらに区は、0歳児枠を停止し空いた教室を利用して、1歳児1年保育を行うとのことです。その1歳児たちは1年後、その園に残れるかどうかはわかりません。その園の2歳児クラスに入れなかった子どもたちはまた、他の園へ転園していくのです。この細切れの保育環境は、子どもたちにとっても、せっかく慣れた場所や友だち、先生と離れ、保護者も、別の場所で一から関係性を作り直すというストレスを抱えます。保育士たちもまた、子どもの成長を見守っていく喜び、保育士としてのやりがいや誇りが奪われるのです。本来なら、子どもたちの成長を共に喜び合っていける、子どもと保育士、保護者、保護者同士のつながりを細かく途絶えさせてしまうのです。そのことから、この制度が、子育ての孤立化の温床になってしまうことを懸念します。
何よりも、一時的な対策であったはずの1歳児1年保育が、今ではすっかり常態化してしまっていることが問題です。
1歳児の受け入れ先が恒常的に足りないのなら、ゼロ歳児枠をやめて、細切れの保育環境を増やすのではなく、1歳児をそのまま受け入れ、卒園まで過ごせる認可保育所を整備していくべきです。
区は「子どもの権利は各施策に活かしているから区に子どもの権利条例は必要ない」と言いますが、「子どもにとってどうなのか」の視点が全く見られません。0歳児も1歳児も卒園まで温かく見守られながら過ごせる保育環境を求めます。

2025年第一回定例区議会最終日の反対討論に立つ山﨑まりも