2025年度一般会計予算に反対(国民健康保険事業・介護保険・後期高齢者医療の各会計予算にも反対)

2025年度第一回定例区議会が終了しました。今定例会で示された2025年度一般会計予算、国民健康保険事業、介護保険、後期高齢者医療の各会計予算に生活者ネットワークは反対しました。

以下、反対の理由を述べた討論です。↓

 

一般会計の予算規模は、前年度に比べて8.9%増の3516億8,600万円と過去最大を更新しています。区は「『子ども、高齢者、福祉・医療』これまでの取り組みを継続・発展させながら、その上に立って、区民生活をより豊かにする施策を推進する予算」としています。

確かに、福祉やこどもに関する保健福祉費、子ども家庭費、教育費の合計は歳出全体の3分の2を占めています。

今年度施行の「困難な問題を抱える女性を支援する法律」に基づく具体的な事業やひとり親家庭をはじめとする困窮者支援、ヤングケアラー支援の充実、重層的な支援体制の強化など、これまで生活者ネットワークが指摘してきた課題が施策となり、前進すると考えます。

一方で、地域を限定しているとはいえ、突然の区立保育園の0歳時枠の受け入れ休止に保護者は困惑しています。また、若者施策も十分ではありません。さらに、地域包括支援センターの専門職の配置基準を緩和する条例改正は、これからますますニーズが高まる高齢者施策の後退にならないか懸念します。

 

環境施策においては、小中学校全校含めた区立施設134施設に実質再生可能エネルギー100%を導入すると言いますが、「実質再エネ」とは、その電源構成に原発や化石燃料由来の電源も含まれています。そうではなく、今後、原発や化石燃料に頼らない真の再生可能エネルギーを選んでいく姿勢を区民に見せていくべきです。

区は、「施策の優先順位を見極め、聖域なく事業を見直す」としながら、区立美術館再整備費用が明らかにならないまま強引に進める姿勢は看過できません。

さらに、「大泉第二中学校の教育環境保全と大泉学園駅南側地区まちづくりの取組方針」について、区は、大二中の教育環境は保全できるという考えですが、道路整備と教育環境の両立は矛盾していると言わざるを得ません。

現在進められている「区立学校適正配置第二次実施計画」は、人数や学級数ありきではなく、子どもたちが「行きたい」と思える学びがある学校を作るという視点を持つべきです。

都市計画道路整備やまちづくり、区立美術館・貫井図書館の建て替え、学校の適正配置は、今の進め方では住民参加とはいえません。いずれも住民の生活に大きな影響を及ぼすことから、丁寧な合意形成のプロセスが必要です。自分達のまちの将来について、議論を尽くす、という体験と過程こそが、魅力あるまちづくりと希望が持てる区政につながると考えます。

前川区長就任以来、私たちは予算編成過程の公表や市民参加型予算の検討、区と区民、区民同士が議論する機会を提案してきていますが、相変わらず「様々な手法を活用して幅広くご意見を聞いている」と答えるのみで、区民の参加と協働の考え方が平行線のままであることは残念でなりません。

国民健康保険事業会計については、今回、一時的に保険料は抑えられることにはなりましたが、根本的な制度設計は変わっていません。国民皆保険制度を維持するために国の負担割合を増やすべきです。また、介護保険、後期高齢者医療会計についても保険料が上昇の一途で低所得世帯だけでなく、物価高に苦慮している多くの区民にとって大きな負担になっています。

社会保障制度の抜本的な見直しを、引き続き国に求めるべきです。

 

以上の理由から、子ども・若者を大切にし、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる社会の実現を求め、2025年度予算に反対しました。

2025年第一回定例区議会最終日の反対討論に立つ山﨑まりも