「脱原発、脱炭素と再生可能エネルギー政策について」の陳情に賛成の討論をしました

2024年第一回定例区議会最終日に以下の討論をおこないました。

動画はコチラ(1:16:15秒くらいから)↓

https://smart.discussvision.net/smart/tenant/nerima/WebView/rd/schedule.html?year=2024&council_id=83&schedule_id=8

以下原稿

陳情第47号「脱原発、脱炭素と再生可能エネルギー政策について」の願意に賛成

この陳情の要旨:

「国の第6次エネルギー基本計画を早急に改正し、脱原発・脱石炭火力を脱炭素政策の柱として早急に実現すること。2035年までに再生可能エネルギー導入目標を80%以上にすること。発電と送配電の所有権分離と再生可能エネルギーの優先接続・優先給電政策を行うこと」を求めるものです。

すべての国の地球温暖化対策における基本方針となっている「パリ協定」を達成させるために、昨年のG7の「2035年までに電力部門のすべて、または大部分を脱炭素化する」合意に対して、見通しが立っていないのは日本だけです。

国は2023年に成立したGX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法で、脱炭素への手段として、原発推進に舵を切っています。しかし、原発による電力のコストには本来比較の際に計上されるべき放射性廃棄物の処理や事故コストなどは入っておらず、決して安い電力ではありません。原料の採掘・輸送・建設・再処理を含めて考えるとCO2排出量も、ゼロではありません。

ロシア・ウクライナ戦争では、原発が標的にされました。

能登半島地震では、北陸電力志賀原発が停止中だったにもかかわらず、電源などの設備にトラブルが相次ぎ、さらに、火災の発生や津波の情報をめぐり訂正が繰り返され、正確な情報提供における問題がありました。また、緊急時の避難計画も実現不可能であることが露呈しました。

GX脱炭素電源法でうたっている小型原子炉なども、大型炉と同じ課題があり、地震の多い日本では、事故や核拡散リスクがあり、放射性廃棄物の管理方法も決まってないなど、問題が山積みです。

2011年の東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発の事故では、故郷を追われ、今も苦悩しながら日々を送っている人々がたくさんいます。福島でつくられた電気は首都圏で使われており、遠くの誰かにリスクを押し付ける原発政策はやめるべきです。ドイツでは経済や効率などの他に「倫理的」にも判断し、エネルギー政策を転換、原発利用をゼロにしています。最近では、フランスを含め、近隣国に再エネでつくられた電力を輸出しています。

日本にも再エネで消費電力の2倍を賄えるポテンシャルがあると環境省は試算しています。しかし、原発推進の政策が再エネ推進を阻んでいるといわざるを得ません。

現在の日本の給電・送電に関してのルールでは、需要量より発電量が多い場合、原発よりも先に再エネが出力を抑えることになっています。これも再エネ推進を阻む大きな要因になっています。再エネよりも原発を優遇する制度の改善と大手電力会社独占のエネルギー政策を一刻も早く見直すべきです。

原発はひとたび事故がおきれば環境や暮らしを破壊し、もとに戻すことはできません。気候危機は命の問題で、喫緊の課題ですが、

脱炭素を理由に原発を推進するエネルギー政策はありえません。

この陳情の願意はすぐにでも取り組むべきです。

 

→採決の結果、この陳情は否決されましたが、引き続き脱原発・脱炭素、再生可能エネルギーの推進に取り組んでいきます。