専門職の支援は「共に育つ学校」のために

 区は2026年度予算の主要事業に「支援が必要な子どもたちへの取組の充実」を掲げ、その中の障害のある児童生徒への支援強化として「民間支援機関と連携し、作業療法士等専門的人材」による指導を実施します。

飛騨市では、すべての小中学校に「学校作業療法室」を置いています。2月、「学校作業療法室」を全国に広めるためのフォーラムが飛騨市で開催され、現場の声をお聞きしました。

飛騨市の学校作業療法は、発達支援から出発しながらも、今では「すべての子どもが、なりたい自分になるための作戦を立て、楽しみながら参加する」ことを支える実践へと発展しています。その根底には「障がいというのは周りとの関わりで起こるものであって、本人に障がいがあるわけではない」という視点があります。だからこそ、子どもたちの「こうなりたい」に対し、物理的なものの工夫や周囲の声かけなど環境を整えることに力点が置かれています。

例えば「3けたの計算ができるようになりたい」「ぼくは字が書きにくいんだよ」という声に対して作業療法士が子どもと一緒に作戦を考える、などがあります。そしてさらに、その作業療法士の視点が学校に入ることで、先生の負担が大きく減り、離職率が下がるとのことです。

共に学び合う学校づくり

一方、練馬区の2026年度予算における「障害のある児童生徒への支援強化」は、支援体制の充実という点では重要です。しかし、専門的人材の活用や特別支援学級増設が、「より早い段階で分けること」を前提としたしくみとして進められるなら、インクルーシブ教育の理念に逆行しかねません。作業療法士等の専門職は、特定の子どもだけでなく、通常の学級を含む学校全体の学びと環境づくりに関わる存在として位置づけるべきです。それは、教員の負担軽減にも大きく寄与していきます。

支援の強化は、分離の強化であってはなりません。

すべての子どもが共に学び合う学校づくりという視点を明確にし、その実現のために専門性を活かす方向での制度設計を求めます。

 

飛騨市で開催されたフォーラム「『学校作業療法室』ってなんだろう?」にて。右から山﨑まりも、多摩市議の岩崎みなこ、岸田めぐみ。2026年2月14日