猿田佐世さんによる学習会「国際紛争と私たちのくらし 日本国憲法を活かした外交で平和を」を開催!
新外交イニシアティブ代表で弁護士の猿田佐世さんによる学習会「国際紛争と私たちのくらし 日本国憲法を活かした外交で平和を」を開催しました。
90分に及ぶノンストップでの力強いお話で、終了後には「対話による外交で平和をめざす」ことは、「可能なのだ」「そこを目指すしかないのだ」という思いを再確認することができました。
思い起こせば、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2022年から、もう3年以上が経ちました。
当初は、「今の時代に、こんな戦争が起こるなんて!」と驚き、怒りを感じました。
それまで自分なりに取り組んできた食の安全や気候危機・環境問題、世界中で展開されている人権や男女平等の取り組み、子どもたちの学びだって、すべては一人ひとりが自分らしく生き、安心して暮らせる社会をつくるためのものではないのか。それが、戦争をはじめるなんて、全部台無しじゃないか!
そんな怒りがふつふつと湧いていたのに、いつの間にか戦争のニュースが日常になってしまいました。
さらにアメリカとイスラエルによるイランへの攻撃が続き、それに対して平和を実現するための積極的に主体的な行動が見えない日本に幻滅する一方、国内では軍事力の拡大ばかりが先行しています。街中や学校では、弾道ミサイルの飛来を想定した避難訓練も行われており、不安な未来が想像される情報ばかりです。
そのような中、生活者ネットワークが長年続けている「9条スタンディング」をはじめ、さまざまな平和活動では、賛同の声をかけていただくことが増えてきました。
一方で、「丸腰で日本が守れると思っているのか?」「アタマお花畑か?」というような声も届きます。
そんな声に怯まないための、裏付けとなる実例を今日はたくさん聞くことができ、声をあげ続ける勇気をいただきました。
今回、私が特に興味深く聞いたのは、「タイの外交を見習いたい」というお話です。(タイは日本と同じく、アメリカと同盟関係にあります。)
猿田さんがタイの政府関係者に、諸外国との関係について尋ねたところ、さまざまな国々と良好な関係を外交によって築いている様子を、次から次へと紹介してくれたそうです。
そこで「あなたの国はアメリカと同盟国ですよね?」と尋ねると、「ああ、そうそう、アメリカと同盟国だよ」と、今思い出して付け足したかのような反応だったとのこと。
同じアメリカを同盟国とする日本の、「アメリカの様子をうかがいながらの外交」とは、ずいぶん違います。
アメリカとの関係を否定していくだけではなく、まずは他のあらゆる国との関係を深めていく。その中の一つにアメリカもある。そんな外交のあり方がいいのではないか、というお話でした。
そして、外交で大切なのは、単発的に「今年はあの国に行く」ということではなく、首脳レベルから各分野の専門家まで、定期的に交流を続け、それを「恒例のこと」にしていくことが大切とのことです。
定期的に顔を合わせていれば、何か危機的な状況になったときにも、それを回避するために、どの部署の誰に連絡を取ればよいのかがわかります。日頃から築いてきた関係が、いざというときに生きてくるのです。
「あらゆる国と相互依存関係をつくっていき、戦争になったらお互いに困る、戦争ができなくなる」
そんな関係をつくる外交を、私たちも求めていきたいと思います。
そして、もう一つ印象に残ったのは、外交は国レベルだけが行うものではない、ということです。
これは市民レベルでも同じです。定期的に顔を合わせ、交流して親しくなった人たちがいる。その人たちと戦争をするなんて……。そんな気持ちが自然と生まれてくるのではないでしょうか。
また、国会議員だけでなく、地方議員も、姉妹都市などとの交流に積極的に取り組むこと。それを子どもたちを含めた市民にも広げていくこと。そして、私たちの日々の暮らしの中でも、例えば外国籍の人たちと交流していくこと。
こうした一つひとつの積み重ねが、戦争ができない、戦争をしようという気持ちを起こさせない関係づくりにつながっていきます。
今回の学習会では、会場に来てくださった皆さんとも、「私たち一人ひとりにできることがある」と共有できたことも、大きな収穫でした。
改めて、猿田さんに感謝です。
平和は、国と国との関係だけでつくられるものではありません。地域で人と人がつながり、国を越えて顔の見える関係をつくっていくことも、平和をつくる大切な一歩です。私たちにできることから、始めていきたいと思います。まずは9条スタンディング、ご一緒に参加しませんか?
今回、お話しいただいた内容、考え方の一部は、書籍「戦争を回避する『新しい外交』を切り拓く」にも掲載されています。また、後日、猿田さんの講演内容を公開する予定です。


