「ストップ!英語スピーキングテスト」シンポジウムを開催

 

7月16日(土)、「ストップ!ベネッセ英語スピーキングテストシンポジウム」を開催しました。主催は「英語スピーキングテストの中止を求める会@練馬」、講師は武蔵大学教授で「入試改革を考える会」代表の大内裕和さんです。

スピーキングテストの実施日は11月27日(日)、予備日は12月18日(日)で、都内全公立中学校3年生が対象。受験申し込みは7月7日から始まっています。
テストの実施主体は東京都教育委員会で、運営は(株)ベネッセコーポレーションです。
東京都がスピーキングテストの都立高校入試への導入を発表したのは昨年の9月で、英語の4技能のうち「話す力」を高めることを目的としています。
大内先生は早い段階からテストの問題点を指摘、数々の記事や院内集会、都庁での記者会見など、多くの場で中止を求めてきました。

東京都はなかなかテストの詳細を示さない、都内各自治体の教育委員会も問題ありという認識がない、保護者への説明が十分ではないことで知らない保護者も多いまま申し込みが始まっています。

◆大内先生が指摘する問題点

1、公平かつ正確な採点はできるのか

2、評価の点数化の問題

3、タブレット端末を使用した実施方法

4、ESAT-J(イーサット・ジェイ)とGTECどちらもベネッセ

5、不受験者の扱い

6、学力テストの点数と比較して、スピーキングテストだけで20点という配点の大きさ
7、受験生に通知されるのは総合得点とESAT-Jのグレードのみで、スピーキングテストについての開示請求には応じない。
8、ベネッセへの個人情報の提供と利益誘導、利益相反の疑い

9、家庭の経済力による教育格差の拡大

10、都内公立中学校の進路説明会におけるスピーキングテストの説明が不十分

11、スピーキングテストの結果は来年1月中旬に返却される予定なので、都立高校の推薦入試への反映は間に合わないだけでなく、その後の募集にも大きく影響し、ギリギリになって志望校を変更する受験生、保護者、教員への負担など大きな混乱を招く可能性がある

などの問題点について説明がありました。

どうみても公平性・公正性に欠け、競争社会を助長するような制度を入学試験(しかも公立高校入試です)に導入するべきではありません。何と言っても一番の被害者となるのは受験する子どもたちです。